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希少食材|加賀野菜【金沢春菊】と北九州【うまかろーま】の歴史・魅力を解説

希少食材

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気になる商品を紹介していますが、読者の方にとって良い選択になるよう、できるだけ分かりやすくまとめています。

大葉型春菊の双頭【金沢春菊】と【うまかろーま】

日本の食文化を彩る「ふたつの春菊」を徹底解説

春菊には、大きく分けて3つの種類が存在します。

・中葉型、葉幅がやや広く、切れ込みが多いのが特徴。香りが強く、鍋物やお浸しなど一般家庭によく使われるもの。スーパーなどでよく見かける春菊は主に中葉型です。

・小葉型、葉の切れ込みが非常に深く細かい品種。現在はほとんど栽培されておらず、市場に出回ることは稀。

・大葉型、葉の切れ込みが浅く、丸みを帯びて肉厚なのが特徴。香りがマイルドで上品。苦みも少ないためサラダなどの生食にも向いており、主に西日本の一部で栽培されている。

 
「大葉型春菊」なかでも希少性の高い代表格が、石川県の加賀野菜「金沢春菊」と福岡県北九州の新ブランド「うまかろーま」です。

同じ大葉型の春菊でも、それぞれの歴史や文化、生産者の工夫や栽培方法、香りや食べ方などが異なります。

本記事では、金沢春菊北九州うまかろーまの個性を丁寧に解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。


歴史

● 金沢春菊の歴史

金沢春菊は、江戸時代の加賀藩で農業の育成に力を入れた5代藩主前田綱紀の時代、1670年頃からと言われています。

現代の金沢春菊は、守り伝えるべきふるさとの野菜として加賀野菜に認定され、保存と拡大が図られています。

「金沢春菊」は一般的な春菊に比べ、独特のクセが少なく、上品でやさしい香りが特徴です。そのため、その「繊細な香り」や「柔らかな食感」こそが魅力と言えます。 

丸くてぽってりとした大葉種に分類され、金沢では別名「つまじろ」とも呼ばれ、歴史の深い伝統野菜です。


● うまかろーまの歴史

北九州に大葉春菊が広まったのは昭和中頃から。当時、九州では葉幅の大きな“広葉種”の春菊栽培されはじめ、「柔らかくて食べやすい」と徐々に人気を獲得しました。

大葉春菊は、古くから小倉南区で「ローマ」として親しまれている伝統野菜で、その名称は春菊の原産地がイタリアであることに由来すると言われています。

若い世代や子どもたちにもおいしく食べてほしいという願いから、方言の「うまか」と組み合わせて「うまかろーま」という名称になり、北九東部野菜部会大葉春菊出荷組合が生産する「大葉春菊」が、令和6年11月1日から新たなブランドとして販売を開始しました。

北九州は冬でも比較的温暖で、雨量が多く、土壌は水はけが良い地域が多いため、春菊栽培に非常に向いていました。この自然条件が後押しし、現在では全国的に見ても有数の大葉春菊の産地として知られています。


主な生産地

● 金沢春菊の産地

金沢春菊の主な生産地は以下です

  • 石川県金沢市三馬地区

特別に大規模な生産地ではありませんが、質の高い香りの春菊を育てることで知られ、冬場は料亭・割烹を中心に強い需要があります。


● うまかろーまの産地

うまかろーまの主な産地は以下です

福岡県北九州市小倉南区

温暖な冬、火山灰質の土壌、水はけのよい畑、ハウス栽培設備が整っており、
柔らかくて苦味の少ない春菊を安定して出荷できるエリアです。

特に北九州市は、九州の中でも春菊の出荷量が高くとても評価されています。

栽培方法と特徴

● 金沢春菊の栽培方法

温度管理

・金沢春菊の栽培は、好日当たりで風通しの良い場所を選び、有機肥料を中心とした土壌で栽培します。栽培適温は気温15℃~20℃くらいで、15℃以下だと成長はゆるやかになる。

水の管理

・種まきは春(4月~5月中旬)と秋(9月~10月上旬)が適期です。発芽を揃えるため、1cm間隔で浅く筋まきし、覆土後は発芽まで乾燥させないように水やりをします。葉に直接水をかけない灌水チューブを設置し水の管理を徹底。

丁寧な手作業

・間引きを複数回行い、最終的に株間10~15cm程度にして、病害予防のために連作を避け、適宜収穫を行います。収穫する際に一つ一つ成長の様子を見ながら手作業で丁寧に行い、雑草も手で除去。小さな脇芽はベビーリーフとして利用。

特徴

金沢春菊は、一般的な春菊のイメージを覆す特徴を持っています。

・食感、最大の特徴は、葉肉が厚く驚くほど柔らかいこと。シャキシャキ感と、しっとりとした柔らかさを両方持ち合わせています。

・味、通常の春菊にある独特の強いえぐみはほとんどなく、非常にまろやかで上品な甘みを感じられます。このクセのなさが、他の食材と合わせやすい理由です。

・香り、ふわりとした爽やかで優しい香りが特徴。火を通すと香りが少し和らぎ、軽く水洗いして生で食べるとよりフレッシュな香りが楽しめる。

これらの特徴を活かし様々な料理に汎用されており、飲食店、特に金沢市内の料亭や和食店では、金沢春菊は「加賀野菜」の一つとして高く評価されています。

● うまかろーまの栽培方法

「土地」魅力を最大限に活用

土壌環境を(日当たりや風通し、排水性など)を分析し、最適な栽培管理を行っています。うまかろーまが嫌う酸性土壌を調整するために苦土石灰の使用や、堆肥の使用、地元北九州の放置竹林で伐採された竹からつくられた「竹パウダー」を土壌改良剤として活用し、土づくりを徹底しています。

水管理の徹底

うまかろーまは主にハウス(施設)栽培されており、温度管理だけではなく、土壌水分センサーや自動潅水システムなどを活用し、うまかろーまの成長段階や天候に応じた最適な水分量を供給することで、安定した高品質生産を実現しています。

繊細な手作業

最大の注意点は、「葉を傷つけないように優しく扱う」こと。これには経験と熟練の技が必要です。

収穫後は時間とともに水分が失われ、しおれたり黄化したりしてしまします。そのため、早朝の涼しい時間に収穫したり、収穫後すぐに予冷を行ったりします。

調整室で湿度管理を行ったりするといった、時間との戦いの中で鮮度保持対策を行っている。

これらの手作業と細やかな気配りによって、「うまかろーま」は市場で高い評価を得ています。

特徴

うまかろーま最大の特徴は、別名「鍋旬ぎく」と呼ばれていることです。

「鍋旬ぎく」としての圧倒的な存在感は葉肉が厚く非常に柔らかいにもかかわらず、煮崩れしにくく、スープの味をしっかりと吸い込みます。

一般的な春菊のえぐみを徹底的に排除しようと「えぐみゼロ」を目指しており、その味わいは春菊が苦手な人も「これなら春菊が食べられる!」と驚く人が多い品種です。北九州の食卓に根ざした、より親しみやすい魅力を持つブランド野菜です。



まとめ

金沢春菊うまかろーまは、歴史も気候も食文化も異なります。
それぞれが地域の気候と食文化に根づき、独自の進化を遂げてきました。

希少ですが、見かける機会があったら是非その味をご自身で確かめてみて下さいね♪

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● 製品名:金沢春菊
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● 購入元:[株式会社サカイダフルーツ

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※時期や出荷状況により販売がされていない場合があります。在庫に関する情報などはリンク先をチェックして下さい。

参考・関連リンク

No出典名/情報源内容の概要備考
1金沢市農産物ブランド協会 「金沢春菊 品目紹介」金沢春菊の定義、歴史、栽培方法、生育適温など主に金沢春菊に関する基本情報 (かがやく美味しさ)
2金沢市公式サイト「加賀野菜」紹介ページ金沢春菊を含む加賀野菜15品目の説明加賀野菜の枠組みとしての春菊位置づけ (金沢市公式ホームページ)
3金沢市公式「春菊は地方によって…」ページ春菊の地域による呼び名(例:「ロウマ」「コウライギク」など)春菊の地域差・名称差の根拠 (金沢市公式ホームページ)
4金沢市農産物ブランド協会「篤農家聞き書き集 ― 金沢春菊」生産者の声、栽培現場の実際、ハウス栽培の状況など金沢春菊の現在の栽培事情と生産者の思い (かがやく美味しさ)
5JA北九「大葉春菊 うまかろーま®」公式案内うまかろーま®の特徴(葉の形、味、生食可など)、出荷時期、土壌改良の取り組みなど北九州春菊(うまかろーま®)の基本情報 (JA北九)
6北九州青果株式会社「うまかろーま®」紹介記事名前の由来、ブランド化の経緯、市場での展開、消費者向けPR情報などブランド春菊の歴史/名称の背景説明に活用可能 (マルキタ製菓)
7PDF資料「20.加賀野菜」(金沢市/加賀野菜保存懇話会ほか)加賀野菜の定義、歴史、消えかけた伝統野菜の再評価など加賀野菜全体の社会的背景や保存の取り組みを説明する際に有用 (金沢市公式ホームページ)

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